人を想うとき、
心に、脳裏に蘇るのは「おもかげ」、
つまり「顔」ではないでしょうか。
「顔」はその人の全存在の象徴。
舞台に登場する能面もまた、
シテのすべてを象徴する存在と
いえるでしょう。
「おもかげ」という工房名に、
わたしたちは、
能面への深い愛とあこがれと
言葉に尽くせぬ想いを託しています。

伝承を紡ぐ場所

京都・祇園の中心地からほど近い、
古い町家にある能面工房です。
骨董品を扱う店が軒を並べる新門前通りに面し、
工房裏手に流れる白川が
季節の移ろいを運びます。
この地で大切に守られてきた
築100 年以上の町家で、
ひそやかに、愚直に、伝統の技を継ぎ、
研鑽し続ける場として「面司おもかげ」を
営んでいます。

能面に宿る技

能面をほんのわずかに傾けるだけで、
まるで目尻や口元が動くかのように、見る間に表情が変化します。
この表情の変化は鑑賞者の思い込みでしょうか。
本物の能面は目元・口元に施された彫刻の技と彩色の綾により、俯いたり仰ぎ見たり、あるいは憂えたり微笑んだりします。
いかに喜び、怒り、悲しみ、妬み、すべての感情を内包する“無限の表情”を持たせることができるか。これが能面づくりの奥深さだと思います。

人から人

能面制作は、檜の角材をナタやノコギリで切る作業に始まり、彫刻刀やのみで顔の形に整えていきます。
その後、彩色など最終的な仕上げまで、全ての作業を一人で行います。
面司おもかげでは600 有余年かけて磨かれた先達の技を師から弟子へと連綿と受け継いでいきます。
一人の職人が人生をかけて技を求め続けたとしても、それは限りある時間。
わたし達は自分の人生の何倍もの蓄積を受け継ぎ、また次代の伝承者へと繋いでいきます。

能面とは

600 年以上の歴史を持つ「世界最古の舞台芸術」といわれる「能」。
現代でも形を変えることなく上演される「能」は世界でも類をみない、高い精神性を宿す仮面劇です。その舞台で使われる最も重要で象徴的な存在が「能面」です。能面の持つ重層的な表情は役者の身体表現と融合し、感情を変幻自在に表現することができます。

面司おもかげについて

「面司おもかげ」は、能面師・中村光江が主宰する能面工房です。「能面という素晴らしい伝統を残したい、次世代につなぎたい」という想いから創設されました。
弟子とともに依頼制作、修理修復、能面教室の運営を行っています。

能面教室

京都(本部)、東京、大阪の3 カ所にて能面教室を開催しています。ナタやノコギリを用いて角材から切り出すスタートから、彫り、彩色までの全ての工程を手作業で行っています。
「舞台で使っていただける能面」を目指して指導いたします。

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