面司おもかげについて

「面司おもかげ」は、能面師・中村光江が主宰する能面工房です。
「素晴らしい伝統である能面を残したい」「能面師という仕事を次世代につなぎたい」という想いから創設されました。弟子とともに運営しています。

ごあいさつ

能面という、かくも小さな宇宙に浮遊して生きている者たちを、紹介します。
わたしたち日本人は、美しい自然と穏やかな気候に恵まれた郷土に育てられ、幾千年を重ねて高い精神性を持つ文化を創造しました。
能面という、世界に類を見ない優れた仮面もそのひとつです。
しかしめまぐるしく変化する世界は今、激しい勢いでたいせつなものを過去の遺物へと押し流して行きます。
細やかな技術も高い精神性も、長い修行と研鑽を経て身につくものです。
この素晴らしい伝統を残したい、次世代に伝えたいという想いはあっても、一度しかない人生を賭けるのは冒険でしょう。
それでも時代錯誤かもしれないと思う疑念と闘いながら、この道をゆく者たちへわたしはつなぎたいと思います。
生き方も作品も含めて、ここに日本人の心があるとわたしは思っています。

中村光江

能面師のご紹介

中村光江

1947 年 三重県生まれ、大阪で育つ
1969 年 京都市立美術大学(現 京都市立芸術大学)洋画科卒
1983 年 能面を習い始める
1990 年 能面師 堀 安右衛門に師事
本格的に能面制作に入る
1997 年 独立
中村光江能面教室を主宰し、現在に至る

観世宗家をはじめ多数の能楽師に作品を納めている。
2000 年以降、国内外の美術コレクターによって作品が収集されるほか、2014 年以降、MUSEU Fundação Oriente(ポルトガルの東洋博物館)に複数の作品が収蔵されている。
TV 出演、新聞・雑誌等掲載多数。

坂口 多恵

魅力的な面と対峙する時、私はそれらの中に秘められた「謎」と出会います。先人の技が形に、色に、幾重にも薄く複雑に重なり、私を魅 了します。
その「謎」を追い求め制作する日々はまるで迷宮を彷徨うような苦しさを伴いますが、同時に、好奇心を満たす喜びを与えてくれます。
長い歴史を持つ能楽を前に、自分の人生が有限である儚さを思い知らされます。伝統を守りつつ表現できる自己を「能面」に溶かしこみ、今この瞬間に、私にしかできない面を作り続けること。それが過去か ら未来へとつながる伝統文化の流れの一滴となれば幸せです。

1980 年 東京都生まれ
2003 年 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒業
デザイナーとして勤務
2009 年 京都へ移住、能面師 中村光江に師事
2017 年 中村光江能面教室のアシスタントとなる

堀越 比菜子

能面の存在は、まるで吹く風に任せて枝をしならせる木々の様です。
自らの運命を噛み締めて受け入れている様に見えます。
能面修行の日々を重ねる中で、技術研鑽の必要性とともに、“人間が生きるとは、本当の美しさとは何か”、胸中に突きつけられます。
日本人によって培われた“生きる佇まい” が、先代の能面師たちによって結晶化されたものが能面だと思います。この伝統を長い時間をかけて受け継ぐことができたら、何よりの幸せです。
その日に撒いた種が今日芽吹くことがない様に、どれだけ花が咲くのを切望しても、果実をいくら欲しても、植物たちがその瞬間あるがままの姿をしているように。
揺るぎない歩調に合わせて、能面修行の日々を重ね続けたいと思います。

1997 年 埼玉県生まれ
2019 年 武蔵野美術大学 油絵学科卒業
ライフスタイル雑誌編集部に勤務
取材経験から、職人の手仕事や自然に寄り添った生き方に魅了される
2020 年 能面師 中村光江に師事
京都に移住し能面制作を始める
並行して京都花背で薬草園に勤務
2024 年 中村光江能面教室のアシスタントとなる

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